PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

○世界観
人から人へと感染する菌が発生し、世界人口の6割が滅亡してしまった世界。
感染すると数日(1〜3日)をかけて理性を失い、人を襲う化け物になってしまう為、感染者と疑わしき者は軍に弾圧され、一般市民は行動を著しく制限されています。
ほとんどの町は隔離され、隔離地域は長い間放置されているせいで町は荒廃し、廃墟になって、更に多くの場合は感染者が徘徊しています。
しかし一部の人間は置き去りにされた隔離地域の物資を求め、危険を侵してでも食料や売れそうな物を探しに向かいます。

その一部の人間を狙う盗賊(ハンター)や反政府組織のファイアフライ等、この世界ではただ生きることすら難しいと言うことが充分に伝わって来て、いつ何が起きても、誰が死んでもおかしくないので緊張感が凄いです。

世界観の練り込みが半端じゃないので、不可解なことはほとんど起きることはなく、「まぁ所詮ゲームの中の世界だし」なんて割り切ることもなくひたすらのめり込んでしまいました。

○グラフィック
PSmk2の5点満点の採点基準「これまで例がないほど素晴らしい！」に間違いなく該当してます。
ビジュアルの美しさもさることながら、モーション、仕草、表情など、まるでそこで本当に生きている人間を見ているかの様な気分になります。
廃墟や自然物やロケーションの豊富さにも驚きました。

○サウンド
BGMがホントに素晴らしいです。
壮大な曲ではないのがこのゲームの雰囲気にピッタリです。
また、効果音等もとてもリアルで、静かな場面では思わず耳をすましてしまいます。
登場人物もよく喋ってくれるのも良いですね。

○サバイバル感
物資を集めたり、探索して遺物を見つけたりなど、思った以上に自然なゲームプレイでした。
戦闘における選択肢はそれほど多くは無いものの、一つ一つの行動が効果的で、型にハマったプレイをしてるだけではないと感じさせてくれました。

○快適さ(ゲームバランス)
難易度上級で始めましたが、いい具合に素材が足りなくて程よい緊張感で楽しめました。
どんなに素材がなくても工夫次第でクリア出来る様に作られている点は素晴らしいです。

○キャラクター
初老の男性ジョエルと14歳の女の子エリーが絆を深めていく描き方が驚異的。
まるでドキュメントを見ているかの様で、あまりゲームの世界に深く入り込むタイプではないのですが思わず感情移入してしまいました。
時として残酷で非情なジョエルは、極めて合理的な性格の持ち主であり、ゲームではあまり見ない主人公でした。
生意気でポジティブなエリーは常に重い雰囲気のストーリーを和ませてくれます。
子供らしい素直さと純粋さ、反面子供とは思えない逞しさも持ち合わせており、ジョエルとエリーは互いに助けあって生きていきます。

最初は距離があるこの二人が徐々に絆を深めていきます。
本当に徐々に、です。
自然と二人は親子の様な関係になり、プレイヤーもジョエルと同じくエリーを守りたい、と思うことでしょう。

○リアリティー
世界観、グラフィック、効果音、キャラクター等のリアリティーはどれか１つ欠けていても違和感を感じると思います。
違和感を感じることもなく、ムービーではキャラクターの表情などから感情を読み取ることで他のゲームにはない、圧倒的臨場感を生みだしています。

昨今のゲームのキャラクターはまるで「ストーリーを動かす為の駒」の様で突拍子も無い行動や言動が目立ちますが、TLoUは逆です。
まさしく「キャラクターがストーリーを動かしている」感覚があります。

○マルチプレイ
決して手放しで誉められる出来ではないですが、スローテンポで仲間と助け合いながら進行するマルチプレイは新鮮でした。
シングルプレイのサバイバル感も上手く表現出来ていると思います。

BAD/REQUEST

○オリジナリティ
私自身はゲームをプレイする際にオリジナリティを気にする方ではありませんが、斬新さ等は皆無と言ってもいいでしょう。

○快適さ(ロード)
最初のロードが長いです。
一度ロードしてしまえばその後ほぼロードを挟まないので快適ですが、正直このゲームは緊張感があるので、長時間プレイする気にはなれません。

○ストーリー
良い点で「キャラクターがストーリーを動かしている」と書きましたが、人によっては行き当たりバッタリで伏線やストーリーを読み解く楽しさがない、と言えるかも知れません。

○エンディング
賛否両論のエンディングですが、ジョエルとエリーに感情移入した身としては、何ともモヤモヤするエンディングでした。
世界観や主人公の立場的に勧善懲悪ではないのはわかっていましたが、「それでいいのか！？」と思ってしまいました。

○戦闘
選択肢が多い方が単純に面白そうですね。
利用出来るものは何でも利用しろ、と宣伝で聞いてたもので、レンガと瓶以外にも各オブジェクトを武器に出来れば良かったかも。

○AIの挙動
味方や敵のAIがお粗末かなと感じました。
自分が敵の目の前を通過しても気付かなかったり。
味方キャラクターが敵の目の前に行っても気付かれない点は不自然ですが、ゲームとしてはこっちの方が良いですね。

○マルチプレイ
ある程度レベルが上がってわかりましたが、明らかにレベルが高い方が有利なバランスです。
レベル差のある相手とやるときは、単純にハンディキャップを背負わされている気分になります。

○マルチプレイのトロフィー
好きなゲームはトロフィーコンプリートを目指したくなるのですが、マルチプレイのトロフィーがいくらなんでも時間が掛かりすぎます。
一試合平均10分のスローテンポのマルチプレイで、最低でも168回試合をしなければマルチプレイのトロフィーをコンプリート出来ません。

と言ってもたかがトロフィーなので採点には加味していません。

COMMENT

PSmk2のレビューを見ていて、「一本道」と言う不満の多さに驚きました。
一般的にTPSと言うジャンルはそう言うものだと認識されていると思ってました。
ホラー要素が少ないと言った意見も少々的外れの様な気もします。
サバイバルゲームであってゾンビゲームでもホラーゲームでもないのですから。

とは言ってもやはりどんなゲームを想定してプレイするかによって評価が分かれるのだと思います。
ラストオブアスはバイオハザードの様にゾンビを撃ちまくるゲームでは無いですし、オープンワールドのゲームでも有りません。
アンチャーテッドが好きなら買って損は無し！と言う程似てる訳ではありません。（実際アンチャーテッドは私には合いませんでした）

主人公は断じてヒーローではないので、そこもラストオブアスが人を選ぶ要因になっていると思います。

ただ世界観やキャラクターの作り込みは尋常ではないです。
買うかどうか迷っている人には文句無しにオススメ出来る位、ほぼ全てにおいて高水準な出来です。
正直自分でもここまでのめり込めるとは思っていなかったので、驚いています。

マリオやポケモンやDMCやダークソウル、デモンズソウル、FPS等も好んでプレイする雑食ゲーマーですが、参考になれば幸いです。